テクニシャンです

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初ブログ!

「あなたもきっとブログを書くのだろう」と予言した。無配慮な言葉選びで実体のないセンスとやらを偶然的に獲得しようとする短歌に、あえて無駄な骨組みを取り付ける労力の引き換えにその威厳を保っているのが小説だとすれば、ブログはまさにその狭間にある。無秩序がセックスを生み、意味がオナニーとなる。もはや我々がブログを書くことから逃げられる術はない。予言は的中する。「あなたはなぜ書かない?」「それ以外の方法がないからだ」

 

 イージーな承認、俺はそんなものに惑わされない!だが、状況は好転しない。欲しいものは場所だ。自分だけの場所。名が売れたら変わるわけでもない。それはまさに表面的な話だ。では書かないことで自分を保つか?それこそ全くもって意味のない苦しみだ。だから書くしかない。その動機はシンプル。俺の話を聞いてくれ。

 

 炎天下、宙を舞う白うなぎ、最悪の履き心地、eytysのサンダル。俺は砂場遊びをせざるを得なかった。サッカーボールが上手く蹴れないからだ。思い通りに動かない身体にはもう慣れた。開通したトンネルの先にいたあいつが言う。「お前今何してんの?」。突然の豪雨でサッカーは中止になり、皆公園から飛び出していく。砂が泥になり足元まで浸かった俺は徐々に沈んでいく。雨粒で瞼が押されせり上がる泥が鼻腔を侵食する。息ができずに当然苦しい。至極当然。近くのビルに避難したあいつが叫んでる。「お前今何してんの?」。俺は苦しい。叫び返すが声が届かない。

 

 本当はサッカーより砂場遊びの方が好きなのかもしれない。分からないがどうでもいいことだ。結局俺にはそれしか残されていなかった。だからスコップも持ってくるし家になかったバケツだって買ってくるよ。「お前今何してんの?」。なんて返せばいいのかようやく分かった気がする。「死ね」。

 

 砂場の王様だと軽蔑されても、俺にとってはこの砂場が世界だった。そしてそれは全てを飲み込む荒涼な砂漠へと変化する。俺は俺の砂漠の唯一の王だった。お前らが俺の砂漠をどう思うかは自由だ。俺はサッカーを頭の悪い人間がやるスポーツだと思っているし、お前らの多くは砂場を餓鬼の遊び場だと思っているだろう。だが、嘘はつかないでくれ。メッシやロナウドになる気がないならやめた方がいい。中途半端に足を踏み入れるぐらいなら初めから来ない方がいい。というか俺以外の人間全員死んだ方がいい。

 

 俺の声は届いているだろうか。共にトンネルを掘り進めてくれる奴がいるなら何よりだが、それほど多くは求めない。だから見ていてほしい。黙れ。観客面しないでください!時たまその足を止め、何度も重たい砂に足を取られもがいている俺に手を振って欲しい。助けを求めている。残念ながら、救いは訪れない。それでも、俺の声を聞いてくれ。それでも、世界に意味はない。

 

 俺は本気で話すことしかできない。本気じゃないお前とはお互い何の得もない。

 

 残像の感覚。ポケットにしまった掌が、買われなかった拳銃を握る。ナイフは近すぎる。弾丸なら離れててもお前を撃てる。狙いは外れるだろう。俺は運動神経が悪いんだ、見開き一ページ。震えながら駆け出していく俺。視界は嫌というほどに良好だ。全員殺してやる。音を立てて逃げる。飛来する泥を掴む。俺はここにいるぞ。

 

 

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